【必見】SUS304の保護ビニール付きレーザー切断、そのままで大丈夫?注意点を解説!

素材 | SUS304 |
---|---|
単価 | 5000円 |
サイズ | 300X400 |
厚み | 1.5 |
枚数・個数 | 2枚 |
ポイント
ステンレス鋼の代表格である「SUS304」。その加工で欠かせないのが、傷を防ぐための保護ビニールですよね。
しかし、レーザーで切断する際に「このビニール、貼ったままでいいのかな?」と疑問に思ったことはありませんか?
結論から言うと、適切な保護ビニールを選べば、貼ったままでも切断は可能です。
しかし、そこにはいくつかの重要な注意点があります。今回は、そのポイントを分かりやすく解説していきます!
なぜ保護ビニール付きで切断するの?
本題に入る前に、なぜビニールを貼ったまま切断したいのか、そのメリットを簡単におさらいしましょう。
①製品の品質向上: 切断時やその後の取り扱いで付く傷や汚れを防止します。
②工程の削減: 切断後にビニールを貼る手間が省け、作業効率がアップします。
特に、化粧板や鏡面仕上げ(#800など)の材料では、表面の保護が製品価値に直結するため、この方法は非常に有効です。
注意点①:アシストガスの風圧による「剥がれ」
レーザー切断では、溶けた金属を吹き飛ばすためにアシストガス(窒素や酸素)を強い圧力で吹き付けます。
この時、ビニールの粘着力が弱いと、ガスの風圧に負けてビニールが剥がれてしまうことがあります。
ビニールが部分的にでも剥がれると、以下のようなトラブルの原因になります。
切断面の品質低下: 剥がれたビニールがレーザー光を遮ったり、切断面に溶けて付着したりする。
加工不良: 剥がれたビニールがヘッドに接触し、加工が停止してしまう。
これを防ぐためには、しっかりとした粘着力のある保護ビニールを選ぶことが重要です。
注意点②:必ず「ファイバーレーザー用」の保護ビニール(SPV)を使うこと!
これが最も重要なポイントです。近年主流となっているファイバーレーザーで切断する場合、
必ず「ファイバーレーザー対応」と明記された専用の保護ビニール(SPV:Surface Protective Vinyl)を使用してください。
従来のCO2レーザーとファイバーレーザーでは、レーザー光の波長が異なります。
もし、ファイバーレーザーにCO2レーザー用のビニールを使ってしまうと…
ビニールがレーザー光を吸収し、溶けて材料に焼き付いてしまう
有毒なガスが発生する可能性がある
最悪の場合、発火して火災の原因になる
といった非常に危険な事態を招きかねません。ファイバーレーザー用の保護ビニールは、
レーザー光を透過しやすい特殊な素材や色(一般的に白色や青色が多い)で作られており、
これらのリスクを回避できるよう設計されています。材料を仕入れる際は、
必ずファイバーレーザー用であるかを確認しましょう。
まとめ
SUS304を保護ビニール付きで切断することは、品質と効率を両立させる有効な手段です。
しかし、成功させるためには以下の2点を必ず守るようにしてください。
アシストガスの風圧で剥がれない、十分な粘着力があること
使用するレーザーの種類に合った、専用の保護ビニール(特にファイバーレーザー用)を選ぶこと
正しい知識で、安全かつ高品質なものづくりを目指しましょう!