【金属文字カット】『切り文字』と『抜き文字』の解釈違いと、「書体おまかせ」の落とし穴

ポイント
レーザーテックでは、金属板から文字をカットするご依頼を頻繁にいただきます。看板や銘板、オブジェなど、その用途は様々です。
しかし、この「文字カット」には、お客様と弊社の間で認識のズレが生じやすい、2つの大きな注意点があります。
過去には、この解釈の違いから、意図したものと違う製品を納品してしまった苦い経験もございます。
今回は、スムーズなお取引とコストダウンのために、お客様にぜひご確認いただきたいポイントをご紹介します。
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### 1. 『切り文字』と『抜き文字』の違いについて
「文字を切る」というご依頼には、大きく分けて2つのパターンがあります。
これには明確な業界定義があるわけではありませんが、レーザーテックでは以下のように区別して呼んでいます。
* **切り文字(きりもじ)**
* **必要な部分:** **文字そのもの**が製品となります。
* (例:壁に貼り付ける、独立した「A」「B」「C」の文字)
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* **抜き文字(ぬきもじ)**
* **必要な部分:** 文字の形に切り抜かれた**「板」側**が製品となります。
* (例:ステンシルのように、文字の形が穴になっているプレート)
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この「切り文字」と「抜き文字」の認識が異なると、まったく逆のものが出来上がってしまいます。
弊社では誤解を防ぐために必ず図面を提出し、お客様にご確認をいただいておりますが、ご発注の段階でどちらを希望されるかを明確にしていただけると、より確実です。
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### 2. 書体(フォント)の問題:「おまかせ」が曲者です
もう一つの大きな問題が「書体(フォント)」です。
**一番スムーズなのは、お客様から「アウトライン化された完全データ」(Illustratorの.aiファイルやDXFファイルなど)をご支給いただくことです。
**これなら、いただいたデータをそのまま読み込み、即座に加工に入れます。
一方で、時折「文字はこれで。書体はおまかせで」というご依頼があります。
この**「おまかせ」が、実はなかなかの「曲者」**なのです。
弊社で「一般的」と思われる書体(例:ゴシック体や明朝体)を選んで図面を作成し、提出したとします。
すると、「思っていたイメージと違う」「もう少し丸い文字がいい」といった修正のご要望が後から発生することが少なくありません。
図面の修正が重なれば、その分だけ納期が延び、作図費用(コスト)も余計にかかってしまいます。
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### コストを抑え、最短で納品するために
お客様のイメージ通りの製品を、迅速に、そしてコストを抑えてお届けするために、レーザーテックからは以下のお願いがございます。
1. **「切り文字」(文字が残る)か「抜き文字」(板が残る)かを明確にご指定ください。**
2. **可能な限り、アウトライン化された完全データ(.ai, .dxfなど)をご支給ください。**
もちろん、データ作成が難しい場合もご相談に応じますが、最も確実で安価な方法は「完全データの支給」です。
ご不明な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。







